岩手県宮古市の精神科・精神病院「みなとホスピタル(旧・三陸病院)」
外来・入院薬物療法、訪問看護、心理検査・心理療法、作業療法、デイケア、m-ECT、アルコール依存症治療プログラムなど
多様な専門的精神医療を提供し、患者さまの回復への手助けと生活支援を行っております

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認知症・軽度認知障害

総務省が毎年に発表している統計によると
2024年9月時点の高齢者人口は3,625万人、高齢者人口率は29.3%。

その後、2036年には3人に1人が65歳以上になるとの推計も発表されています。
世はまさに高齢者の時代です。

 

となると、切っても切れないのが認知症の存在です。

2022年時点では65歳以上の高齢者の約12.3%が認知症であると推計されています。これは高齢者の約8人に1人ということになります。
さらに認知症の前段階である「軽度認知障害 / MCI」も入れると、
65歳以上の3.6人に1人に何かしらの認知機能にかかわる症状があるとされています
令和5年「認知症及び軽度認知障害の有病率調査並びに将来推計に関する研究」厚生労働省の調査より)

当院では外来において認知症、認知機能の低下を対象とした治療に力を入れています。
また、認知症治療に特化した専門病棟60床を準備しています。

認知症とは?

様々な病気により、脳の神経細胞の働きが徐々に変化し、認知機能(記憶、判断力など)が低下して、社会生活に支障を来した状態をいいます

 

認知症は大きく4種類に分けることができます

それぞれの割合は以下のグラフのようになります

アルツハイマー型認知症

最も多い認知症です。全体の約7割がこのタイプの認知症となります。

異常なたんぱく質が10年以上かけてゆるやかに脳にたまっていくことで、徐々に脳の神経細胞が死んでいきます。
その結果、脳が小さく縮んでしまい(これを「脳委縮」といいます)、いろいろな認知機能がうまく働かなくなります。

最も問題となる症状は「もの忘れ」です。
このもの忘れは「体験した事のすべてを忘れてしまう」という特徴があります。例えば

年相応のもの忘れ 
→「昨夜、晩御飯を食べた事は覚えてるけど、何を食べたか忘れてしまった」(ご飯を食べた事は覚えている)

認知症のもの忘れ 
→「晩御飯をまだ食べてないから、はやくして!」
(ご飯を食べた事自体、忘れている)

また、今日が何月何日何曜日か、今自分がいる場所はどこか、自分の年齢は何歳か、などがわからなくなります(見当識障害)

また、料理・掃除・洗濯のようなこれまで普通にやれていた作業を、順序立てて正確に行う事ができなくなります(実行機能 / 遂行機能障害)

脳血管性認知症

この辺の言葉でいえば「あだる」「あだった」という状態の事です
(例:うちのおじいさん、あだってしまって入院した)

脳梗塞(脳の血管が詰まった)、脳出血(脳の血管がやぶれた)などが原因の認知症です。

脳のどこの部分でそれが起きたか?どの程度の範囲に梗塞や出血があったか?によって、出てくる症状が異なります。
一方、梗塞や出血がない部位の機能はそのままなので、「出来る事」と「出来なくなった事」の差が大きい事が特徴です(正常な部分と障害された部分が混在して「まだら模様」のようなので、「まだら認知症」と呼ぶ事もあります)

もの忘れや日時・場所などがわからなくなる症状に加えて、

運動麻痺、歩行障害、言語障害(失語)、食べ物や飲み物をうまく飲み込めなくなる(嚥下障害)、感情の不安定さ(大笑いしたかと思ったら泣き出すなど / 感情失禁)などが生じやすくなります。

レビー小体型認知症

脳の神経細胞に「レビー小体」という特殊なたんぱく質のかたまりがたまることによって、脳の働きが低下してしまう認知症です。
特有の症状が見られる事が特徴です。

・幻視
実際にはいない人間や虫が、本当にそこにいるようにリアルに見える

・パーキンソン症状
身体のこわばり、歩幅が小さくなる、転びやすくなるなど、パーキンソン病に似た動きの変化が起きる事があります

・意識の変動
その日の体調や時間帯によって、頭の働きが良かったり悪かったりする「意識の変動」が見られます

・睡眠中の異常行動(レム睡眠行動障害)

眠っている時に、夢の内容を身体で行動してしまう状態。大声で寝言を言う、寝ているのに身体を動かす、暴れるなど

前頭側頭型認知症(FTD)

脳の「前頭葉」と「側頭葉」という部分が徐々に縮んでいく(萎縮)事で生じる認知症です。
「もの忘れ」はそこまで目立たない代わりに、「性格や行動の変化」「言葉の障害」が目立つのが特徴です。

◎性格や行動の変化
・感情コントロールが効きにくくなり、急に怒りっぽくなる
・社会のルールやマナーを守れなくなる。
万引き、痴漢行為、暴力など反社会的行動が生じやすい
・同じ行動を何度も繰り返す。決まった時間に決まった事をする
・食べ物へのこだわりが強くなる(甘いものばかり食べる等)

◎言葉が出にくくなる
・単語が出てこない
・会話が成り立ちにくくなる

・言葉の意味がわからなくなる

軽度認知障害(MCI)

「最近、物忘れが気になるけど、日常生活は問題なく送れている」
そんな状態が続いている方は、軽度認知障害(MCI)かもしれません。

MCIは、認知症の前段階といわれています。
今は日常生活に大きな支障はありませんが、将来的に認知症に進行する可能性があるため、早めの対策が大切です。

【MCIの主なサイン】

・会話中に言葉が出てこなくなる

・以前より忘れっぽくなった

・体験した出来事そのものは覚えているが、詳細を思い出しにくい
(例:1ヶ月前に旅行に行った事は覚えているが、どんなホテルでどんな食事をしたかは覚えていない)

・同じことを何度も聞くようになった

・複雑な作業や計画が難しく感じるようになった

これらの症状があっても、普段の生活は自立して行えているのがMCIの特徴です

当院では脳CT検査、認知機能検査、丁寧な聞き取りを行ったうえで、医師がMCIの診断を行っています。

MCIは「予防できる認知症の入り口」とも言われており、早く気付く事で、その後の暮らしが大きく変わります。
「ちょっと気になるけど、相談しようか、どうしようか」と迷っている方も
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